猫足昆布3

6)絶対知っておきたい! 昆布のスゴい栄養素

「昆布は体にいい」

テレビで昆布を取り上げた番組などでよく目にする話です。

そもそも昆布は古来より薬として重用されていました。

現在のように科学技術や医療が発達する前からその効果が知られていたんですね。

現代の研究により、非常に多くの栄養素が含まれていることが裏付けられ、健康への効果が期待できることが明確になりました。

昆布のカロリー

昆布のカロリーは、干した状態の100gでおよそ140kcalくらいです。これだけ見るとおにぎり1個弱くらい、8枚切り食パン1枚くらいです。少し多めにも見えますね。

でも、それは干した状態の時のこと。水で戻すと体積はおよそ5倍くらいになります。なので実際に口にする時にはその1/5、およそ28kcal程度です。

さらに、1食分として考えると、昆布を100g食べることは普通ありません。もっと少ないため、実際に摂取するカロリーは更に低いと考えられます。

なお、昆布のだし汁は0kcalです。

昆布はアルカリ性

食の欧米化が進む現代では肉や穀物などの酸性食品を食べる機会が多く、体が酸性になりがちです。しかし体は弱アルカリ性であるのが健康です。

アルカリ性食品である野菜や海藻、きのこ類を積極的に食べることで、弱アルカリ性に近づけることが重要と言われています。

昆布はそんなアルカリ性食品の中でもトップクラスです。

アルカリ度が非常に高いので、多くの酸性食品を摂取することで酸性に傾いた体を中和してくれます。

ただし、酸性食品は悪いというわけではありません。酸性食品、アルカリ性食品のどちらも体に必要なものですし、両方をバランス良く食べることが重要です。

カルシウム

言わずと知れたカルシウム。

実は昆布にはカルシウムがとても多く含まれています。その量は、カルシウムで代表的な牛乳の6倍です。

育ちざかりの子供にはカルシウムは不可欠ですし、さらに昆布のような固い食べ物を口にすることで、顎を鍛えるという効果も期待できます。

また、高齢者の方ですと「骨粗しょう症」の心配もあります。そういった方もやはりカルシウムを摂取するべきであり、昆布はお勧めです。硬いものが難しければ昆布を煮込んで柔らかくするような昆布巻きなどが良いです。

ビタミンK

昆布にはビタミンKも豊富に含まれています。

ビタミンKには、人間の血液凝固作用を司るタンパク質の働きを促進する効果があります。不足するとケガをした時の出血が止まりにくくなる、ということです。

また、ビタミンKは前述のカルシウムと合わせて摂ることで、カルシウムが骨に沈着するのを助けます。骨からカルシウムが溶け出すのを防ぐ働きもあり、カルシウムとの相乗効果で「骨粗しょう症」の予防に繋がると考えられます。

繊維質

昆布の固さは繊維質から来るものです。逆に言えば、それだけ多くの繊維質がふくまれているということです。

食物繊維には、水に溶けない「不溶性食物繊維」と水に溶ける「水溶性食物繊維」があります。

昆布の繊維質は基本的に水溶性です。

「水溶性食物繊維」が水に触れると、その名称通り溶け出しゲル状になります。これにより体内(腸内)の有害物質や老廃物が排出されやすくなります。さらにそれ自体が腸内の善玉菌のエサになり、腸内環境を改善する効果もあります。

U-フコイダン、F-フコイダン

「フコイダン」というのは「フコース」と呼ばれる成分を主とする多糖類です。昆布の表面のヌメリに含まれています。

F-フコイダンは、フコースのみのフコイダンです。老化防止に有効なHGF(肝細胞増殖因子)の生成を誘導する働きがあると言われています。

U-フコイダンは、グルクロン酸とマンノースという物質とフコースが結合したフコイダンです。「アポトーシス」と呼ばれる、ガン細胞を消滅させる働きがあります。(1996年、宝酒蔵(株)バイオ研究所の発表)

なお、重要なので別項目として書きましたが、フコイダンは水溶性食物繊維の一種です。

アルギン酸

アルギン酸も昆布に含まれる食物繊維の一種です。単体では不溶性です。

当然ながら、食物繊維であることからコレステロール値を下げ動脈硬化を予防する効果が期待あります。

さらに、アルギン酸にはナトリウムと結合する性質があります。結合して「アルギン酸ナトリウム」になると水溶性になります。

このナトリウムと結合する性質により、体外に塩分を排出しやすくすることから高血圧を抑制する効果も期待できます。

また、放射性物質「ストロンチウム」はカルシウムと結合しやすいため骨に取り込まれやすい、という性質がありますが、カルシウムよりもアルギン酸の方がストロンチウムとさらに結合しやすく、ストロンチウムの排出効果もあるとの報告があるようです。

ヨウ素(ヨード)

ヨウ素には体内の代謝を活発にする働きがあります。

でも、食べ過ぎると甲状腺の機能低下を引き起こすこともあります。

ただし、「食べ過ぎ」となるためには普通では食べ切れないくらい昆布を食べる必要があります。もし万が一そうなったとしても一時的なもので、症状が発生したら摂取を一時的に止めるだけで後遺症なく元に戻ります。(ただし、過剰な状態が長期間続くと慢性的な甲状腺障害になることもありますので、その点は要注意です。)

また妊娠中の女性も極端な食べ過ぎには要注意です。胎児の「甲状腺機能低下症」を引き起こす可能性が指摘されています。

昆布に含まれるヨウ素は、他の食品に比べて圧倒的に多いのが解っています。