佃煮昆布

5)知ってますか? 昆布の様々な加工方法

ご存知の通り、昆布は固いものです。干しただけでパッケージされて販売されている昆布をそのまま食べることは少ないと思います。

そのため、そういった昆布は様々な方法で加工されて食卓に上がることが多いですね。だしを取るのに使ったり、食べる場合には煮込んだりします。

また、細く刻んだり削り出したりなど、加工して販売されることも多いです。

そういった様々な加工方法をご紹介いたします。

昆布を切ったり削ったり

昆布の代表的な加工方法としては細く刻む「きざみ昆布」、削り出す「おぼろ昆布」「とろろ昆布」などがあります。

きざみ昆布

昆布を細かく刻んだものです。

刻むサイズにはバリエーションがあり、塩昆布や佃煮昆布でよく見られるような幅1~2mm程度のものや、もう少し幅広く5mm程度に刻まれることもあります。

煮物に使ったり、炒め物として肉や野菜と一緒に炒めたり。またおにぎりの昆布もこれが多いですね。

昆布の加工品としてはとてもメジャーなものです。

おぼろ昆布

昆布を一枚ずつ薄く削り出したものです。

もともと薄い昆布(多少厚みはありますが)をさらに薄く削り出す方法です。これは非常に難しい加工方法であり、職人技が必要です。

乾燥させた昆布を、カンナのような専用の刃物を使って薄く幅広に削り取っていきます。その際、力の入れ具合や刃物の角度など、上手く加減することが必要となります。

固い昆布を薄くしているわけですから、昆布そのものの風味はそのままです。おにぎりに巻いたりして使っても美味しいです。

削り出す部位によって色が異なり、黒おぼろ(昆布表面の黒い部分を削り出したもの)、太白おぼろおよび白おぼろ(内部の白い部分を削り出したもの)、むき込みおぼろ(黒い部分と白い部分が混ざったもの)などの種類があります。

とろろ昆布

昆布を何枚も重ねてプレスすることでブロック状にし、その側面を削り出したものです。削り昆布と呼ばれることもあります。

江戸時代はにおぼろ昆布と同様に職人によって手で削られていました。が、現在は機械で加工する場合がほとんであるため、おぼろ昆布に比べると大量生産が可能です。そのため、おぼろ昆布に比べると安価で親しみやすいものとなっています。

見た目としては、おぼろ昆布は帯状ですが、とろろ昆布は糸状になります。味噌汁などに入れると美味しいですね。

またおぼろ昆布と同様の色の違いもあり、黒とろろ昆布、白とろろ昆布というような種類があります。

根昆布

昆布の根元部分です。

料理などで主に使われる葉の部分と比べて若干硬めであり、そのまま食べるのにはあまり向いていません。

だしを取るのに使われるほか、一晩水に浸してその水を飲むと昆布の栄養素を摂取できます。

古来より民間薬として使われていたとも言われています。

最も旨味のある部分であるという話もあります。

昆布の成長の起点になる部位であることから、このような特徴があると思われます。

白板昆布

おぼろ昆布を削った後に残る芯であり、薄くて白い板状になった昆布です。

バッテラで使われるのが有名です。

さらに少し味付け

上記のように刻む、削るなど昆布自体の形を変える加工のほか、味を付けられたものもあります。その際、食べやすいサイズに切られることが多いです。

塩こんぶ

細切りの昆布を、醤油・みりんなどで長時間煮込んで味を付け、最後に塩をまぶしたものです。

塩こんぶ

だしがら昆布(だしを取った後の昆布)を使って自分で作ることもできます。

おしゃぶり昆布

昆布を短冊状に食べやすく切ったものです。梅などの味をつけたものもあります。

硬めなのでよく噛む必要があり、また食物繊維やアルギン酸、フコイダンなどの栄養素などの効能から「ダイエットに向いている」とも言われています。

酢昆布

昆布を酢と砂糖で作られた調味料に漬け、乾燥させた後、食べやすい大きさにしたものです。

昆布茶

昆布を粉末状にして味付けしたものです。名称通りお茶として飲むほか、だしのように使うこともできます。

ご飯に昆布茶とゴマをかけて、梅や鮭フレークをのせ、お湯をかけて作るお茶漬けもおすすめです。

代表的な昆布料理

非常に多く見かける昆布料理には佃煮昆布や昆布巻きがあります。

佃煮昆布

名前通り、昆布の佃煮です。しいたけや山椒と合わせたりすることもあります。

佃煮昆布

昆布巻

昆布でニシンや鮭、たらこなどを巻き、醤油と砂糖で煮たものです。

昆布巻き

松前漬

昆布とするめを、醤油、砂糖、酢などを合わせたタレて漬け込んだものです。

松前漬